6月は全国的に好天の暑い日が続き、また山陰地方では渇水が深刻な問題となるほど降水量の少ない月でした。
7月に入り、やっと梅雨らしくなり、天気予報でも傘マークが目立ち始めました。どうやら、今月は例年並の降水量が見込まれるようであります。我々が生活していく上では、渇水も深刻な問題でありますが、一方で、それ以上に心配なのが集中豪雨であります。世の中の流れが速いと、とかく忘れがちになりますが、昨年は福井、新潟、福島で梅雨前線による集中豪雨により、多くの尊い人命と財産が失われました。
私どもの島根県は、気候、地形、地質等の自然条件から、集中豪雨災害を受けやすく、全国でも有数の自然災害多発県であります。
災害の歴史をふりかえりますと。
・ 昭和39年7月には出雲地方を中心に108名の犠牲者と公共土木施設関係で80億円の被害。
・ 昭和47年7月には宍道湖の氾濫により松江、平田、斐川を中心に2万5千戸が浸水し、公共土木施設関係で約280億円の被害。
・ 昭和58年7月には県西部を中心に記録的な集中豪雨により、1077名の犠牲者と公共土木施設関係で1000億円以上の被害。
・ 昭和60年7月には再び、県西部で集中豪雨により、公共土木施設関係で約287億円の被害。
・ 昭和63年7月にも県西部で集中豪雨により、6名の犠牲者と公共土木施設関係で約465億円の被害。
以上が島根県の代表的な災害でありますが、全てがこの7月に集中しています。この機会に、私たちが暮らす県土の実情を考えてみることもよいのではないかと思います。
平地部では、天井川の斐伊川、ひとたび氾濫が起きると浸水が長時間続く宍道湖流域に人口が集中しています。また、山地部では、住環境の大部分が山ぎわ、谷沿いに集中し、人々は土砂災害、地すべり等の自然災害と向き合いながら暮らしていかなければなりません。
近年、地方、公共事業に対する批判が集中していますが、このように自然災害を受けやすい県土で人々が暮らしていくためには、過疎化対策を含め、治水、砂防、地すべり対策、道路、農地整備等のインフラ整備の担う役割が大きいことを多くの人、特に都市部の人々に理解していただければと思います。また、皆様には、私たちの仕事は、そのための土台作りであることを認識し、各自が誇りをもって取組んでいただきたいと思います。
これから、一年で最も体調を崩しやすい時期を迎えます。各部署で適切な業務の配分、各自では体調管理をしていただき、業務にあたっていただきたいと思います。