今年の夏は記録的猛暑となり、皆さんもご苦労をされたことと思います。それぞれの暑さ対策や暑気払いにより、猛暑と闘われたと思いますが、彼岸を過ぎた頃より暑さが和らぎ、ここのところは過ごしやすい日々となっています。私にとって、この夏の猛暑に対し最も有効な暑気払いとなったのは、TBS系列で放送された、日曜劇場『VIVANT』の視聴でした。梅雨明け頃の猛暑が始まった7/16に第一話が放映され、暑さが納まる9/17の最終回まで全十話が放送されましたが、この間の猛暑に負けないヒートアップしたドラマがスピーディーに展開し、大きな反響を呼びました。私にとって、日曜日9時の放映が楽しみで、暑い夏を凌ぐ一服の清涼剤としなりました。
ドラマの主役は堺雅人さんが務め、役所広司、阿部寛、松坂桃李さんなど、今を代表する主演級の豪華な俳優たちが共演として加わり、長期間のモンゴルロケを行うなど、通常のテレビドラマでは考えられないスケール感でした。私の拙い表現力でこのドラマのストーリーを説明してもうまく伝わりませんので、興味のある人は無料配信等で鑑賞されるとよいと思います。最近のテレビドラマや映画は小説や漫画を原作としたものが多く、ネタバレしてしまい、興を削ぐことになります。『VIVANT』は『半沢直樹』『ノーサイド・ゲーム』などで演出を務めた、日本で最も視聴率を獲得するディレクターといわれる福澤克雄さんが原作を手掛け、ストーリーや役柄などを一切明かさない手法により、視聴者に推理、考察、想像させることを狙ったようです。その思惑が当たり、日常の会話やネット上で様々な考察が広がり、たいへんな盛り上がりを見せ、『VIVANT』現象と言われるほどになりました。私もその思惑にはまった一人で、放送後には想像力を働かせ、どのようにストーリーが展開するかを考察して楽しみました。最近、加齢により、考えることや想像力の衰えを感じますが、錆びかけた脳に刺激を与えてくれ、この夏の清涼剤となりました。
10月を迎えました。これからひと月くらいは気候が穏やかですし、秋の味覚や風物も楽しめる良い時季です。じっくりと物事に取り組むことや考えること、本を読むには良い時季となります。私は、読もうと思って買った本がたくさん積んでありますので、秋の夜長に紐解いてじっくりと読み、考え、想像して良い時間を過ごしたいと思います。皆さん秋の夜長に、それぞれの楽しみを見つけられ、ライフを楽しむことにより、ワークを充実させ、ライフ&ワークの良い循環を作っていただき、『実りの秋』としていただきたいと思います。
和田晶夫