早いもので一年を締めくくる師走を迎えました。この一年は人類史上忘れることのできない記憶に残る年となりました。新型コロナで幕を開け、師走を迎えた今、昨日時点で国内では感染者、死者の累計が(148,900人、2,152人)に達し、重傷者は過去最多を更新し続けています。世界では、欧米や南米を中心として、感染者、死者数とも日本とは桁違いの多さで、最も多いアメリカでは1,338万人の感染者、26万6千人の死者が出ています。
東日本大震災や頻発する豪雨等、自然の猛威により度重なる被害を受けるたびに、大自然の中で人間が微力であることを知りましたが、この度の新型コロナにおいて、ウイルスという見えない存在に対しても人類は微力で、私たち人類は主人公ではなく、大宇宙、地球の中で生かされているに過ぎないことを思い知ることとなりました。
最近、SDGs(Sustainable Development Goals)という言葉をよく耳にします。世界規模の災害や環境破壊、貧困や飢餓など地球上の様々な問題への対策を立て、今現在も未来においても住みやすい世界を目指し、17の目標を掲げた国際的な取り組みです。17色を配したドーナッツ型のバッジが活動の象徴となっていますので、目にされたことがあるのではないでしょうか。この国際的な取り組みについて、私たち個人や一企業が出来ることには限界がありますが、エネルギーやフードロス、ゴミの問題など、小さな取り組みの積み重ねや一人ひとりが意識や生活様式を変えていくこが大切であると思います。
SDGsは私たちの産業、仕事には直接的には関りがないように見ていましたが、調べてみますと17の目標のうちの9番目は『産業と技術革新の基盤を作ろう』と掲げられています。その最初に『質が高く信頼できる持続可能かつ強靭なインフラを構築し、経済発展と人間の福祉を支援する』と示されています。また、11番目には『住み続けられるまちづくり』が掲げられ、安全かつ強靭で持続可能な街、居住空間を実現することが示されています。
この二つの目標を実現するためには私たちの仕事が不可欠で、防災や様々なインフラ整備、維持管理の調査、計画、設計そのものであると思います。
今、人類は新型コロナウイルスに脅かされていますが、自然災害や未知なる敵の脅威は今後とも増えていくと考えられます。その中で、私たちの産業、仕事は人類が存続していくために不可欠であることを改めて知りました。年末、年度末に向け多忙な時期を迎えますが、プロとして、自信と誇りを持って業務を行い、一年を有終の美で締めくくれるよう取り組んでまいります。
和田晶夫