今日、9月1日は『防災の日』です。国民が台風、豪雨、地震などについての認識を深め、自然災害に備えることを目的として1960年(昭和35年)に定められました。この日は、1923年(大正12年)の9月1日に発生し、我が国の歴史上最大の10万人を超える犠牲者を出した関東大震災に因んだものです。
この夏は、島根にとって豪雨の夏となりました。7月4日から12日にかけて梅雨前線が停滞し、東部を中心に総降水量400㎜を超える豪雨により、松江、出雲、雲南の広域的な地域で大きな被害が発生しました。8月8日から10日にかけては、台風9号により、大気の状態が不安定になり、県内の広い範囲で記録的な豪雨となりました。中でも、海士町では、平年の8月の月降水量の2倍を超える335ミリの雨量を記録しました。12日から19日にかけては、停滞した前線に暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となり、隠岐諸島、西部の広い範囲で記録的な豪雨となり、昨年に続き江の川が複数の地区で氾濫する被害や出雲市多岐町では、大規模な地すべりが発生し、今なお、国道9号が通行止め、JR山陰本線が運行取り止めとなっています。
私の知る限り、島根において、一月余の短期間で、三度にわたる豪雨が発生したことはないように思います。この度重なる豪雨で、県内の広い範囲において、多重的に災害が発生ました。当社では、国土交通省、島根県、市との災害協定により、被災直後から全社をあげて災害復旧業務に取り組んでいただいていますが、7月の豪雨に加え、8月の2度の豪雨でさらに被害が拡大し、対応する地域、箇所が増え、復旧業務が長期化することになります。皆さんには負担をかけることになりますが、災害復旧を優先して行うことは、当社の経営理念の中核にある『地域密着』そのものでありますので、引き続き全社で力を合わせて取り組んでまいります。
『防災』という言葉は「災害を未然に防止すること。災害が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、災害の復旧を図る」ということを意味します。言い換えれば、安心で安全な国民生活の土台づくりであると言えます。今日『防災の日』に、私たちが担っている国土強靭化や地域の安心安全を創造するインフラ整備、災害復旧業務はその全てが『防災(安心で安全な国民生活の土台作り)』に直結していることを知り、企業、エンジニアとし自らの仕事に責任と誇りを持つ日といたします。
和田晶夫