滝田洋二郎監督、本木雅弘さん主演、広末涼子さん共演の映画『おくりびと』が第81回米アカデミー賞外国映画賞に選ばれました。
アカデミー賞は、アメリカで上映された映画のなかから優れた作品を映画関係者の投票により選ぶもので、賞の知名度は国際映画祭(カンヌ、ベルリン、トロント)以上に高く、話題性、マーケットへの影響力では世界最高峰のものであると言われています。
外国映画賞が設けられて以来、日本映画が受賞するのは初めての快挙であるということです。
『おくりびと』は納棺師という注目されない、どちらかといえば裏方の職業にスポットを当て、おくる者とおくられる者とを通して人間の生と死を考えさせられる作品です。この映画は死という重いテーマをとりあげているにもかかわらず、明るさ、笑い、情緒、愛情等がバランスよく描かれており、受け入れやすいものであります。
ストーリーは、主人公がふとしたことで就いた納棺師という職業に最初はとまどい、引けレを感じながら次第に仕事の尊さに気づき、その職業に誇を持ち職業意識を高めていくというストーリーです。プロとして凛とした姿で仕事にあたる主人公の姿を美しい映像に仕上げています。
今年の6月には、私たちの職業である測量をテーマとした映画が封切られます。『剣岳 点の記』という映画であります。原作は新田次郎の同名小説であり、明治時代に日本地図を作るため、北アルプス・立山連峰の未踏峰『剣岳』に三角点を設置するという偉業に挑む測量技師たちの 苦闘をその実話をもとに小説化したものであります。
過酷な仕事に誇りと献身の心をもって真摯に生きることの大切さを問いかける職業意識、をテーマとした作品であります。
この映画は私たちの所属団体である日本測量協会が企画段階から全面的に協力しています。測量という職業に携わる一人として『剣岳 点の記』の封切りを楽しみにしたいと思います。