このたび“神門通り”が栄えある「2017年度土木学会デザイン賞最優秀賞」に選定されました。
当社は2009年から“神門通り”の道路詳細設計、電線共同溝設計などを担当させていただき、ご指導いただいた学識経験者やデザインコンセプト、ワークショップ運営、交通計画などを担当された5団体と共にこの栄誉に浴することが出来ました。
“神門通り”のプロジェクトは、地域住民、団体、行政を含め多くの方々が参画され、それぞれの専門分野の会社や技術者の協働があって成し得たものであります。当社もその一員として役割を果たすことができたことを誇りに思い、心より受賞を喜びたいと思います。
“神門通り”は出雲大社の参道を延伸する形で約100年前に開通し、往時は国鉄大社駅からの観光客でにぎわい、宇迦橋、大鳥居、松並木の景観も良く、沿道の商業施設も活況でしたが、モータリゼーションの進展、国鉄大社線の廃止もあって閑散とした表参道となっていました。
ご承知の通り島根県では、平成25年の出雲大社の大遷宮を迎えるにあたり、神門通りの改修が決まりました。石畳の参道や松並木の保全、電線の地中化と共に、歩車共存型道路として道路構造を整備し、参拝者が安心して散策できる通りとして生まれ変わり、地域住民や商観光事業者の積極的な参画もあって街並みが変わり、歩行者と車両が譲り合い、多くの人が溢れ、賑わいのある見事な表参道として甦りました。
当社では高橋宏道さんがこのプロジェクトの中核的な役目を果たしましたが、その後方には社内外の多くの人の援助、指導があって成し遂げることができたものであります。私たちの行う全ての業務はチーム、組織で行っているこは言うまでもありません。多くの人の力を合わせること協力なくして良い仕事はできません。また、地域の方々や関係者との協働、連携なくして良い成果をつくり上げることは出来ません。
『木を見て森を見ず』と言う諺があります。私たちが仕事をする時に、一生懸命向き合えば向き合うほど、視野が狭くなり、小さいことだけに目を奪われてしまい、全体像や目的を見失うことがあるという教えであります。“神門通り”のプロジェクトでは、しっかりと一本の木を見ることを行い(丁寧に一つ一つの仕事を行う)その上で森全体を俯瞰する(仕事の目的や全体像を見失わない)ことにより良い成果が得られたと思います。
当社では、この2月、3月は繁忙を極める時期となります。業務が輻輳することにより余裕を失い独断に陥ることや焦りから大きなミスを犯すことがあります。忙しい時期だからこそ、協働、情報共有を強化し、お客さまや地域の役に立ち、喜んでいただき、感動を共有できる仕事をすることを目指し、全社一丸となって歩み、素晴らしい春を迎えることができるよう取り組んでまいります。
和田晶夫