先月の初めには『暑気払い』について話をさせていただきました。決して、そのせいとは思いたくはないのですが、8月は記録的な猛暑となり,まさに『暑気払い』の日々となりました。松江気象台の観測データでは、真夏日は10日(昨年は4日)、熱帯夜は22日(昨年は15日)を数え、一日の平均気温、最高、最低気温の平均値とも昨年を2~3°程上回りました。この猛暑は、自然環境に大きな影響を与え、私たちの仕事や日常生活、体調にも様々な影響を及ぼしたのではないかと思います。9月を迎え、徐々に暑さは和らぎますが、疲れが出る時期でもありますので、油断することなく、それぞれの方法で『暑気払い』をしていただき、今暫く続く残暑を元気に過ごしていただきたいと思います。
猛暑の中で行われた夏の甲子園大会が23日に閉幕しました。今大会では、107年ぶりの優勝を果たした慶応高校の選手達の爽やかなプレイと、それと一体化した応援が話題となりました。慶応高校は“エンジョイベースボール”をモットーに掲げ、選手の意思を尊重し、それぞれの自覚に委ねることで、プレッシャーのかかる大舞台やピンチの場面でも臆することなく力を発揮しました。選手たちが笑顔で野球を楽しむ姿に時代の変化を感じ、私にとって爽やかな『暑気払い』となりました。
ハンガリー・ブタペストの世界陸上では、25日に行われた女子やり投げで北口榛花選手がフィールド種目では日本女子初の金メダルを獲得しました。ラストチャンスで大逆転のビッグスローを決めた直後に、彼女のトレードマークである満面の笑顔でダイナミックに飛び跳ねて喜びを表した姿に心を打たれ、私にとって心地よい『暑気払い』となりました。北口選手は、お母さんから「笑顔は幸せを引き寄せる」と教えられ、笑顔と表情豊かであることを心がけ、大舞台でも実力を発揮することが出来たと思います。
この夏に全国制覇、世界制覇を果たしたアスリートに共通するものは『笑顔』です。『笑門来福(しょうもんらいふく)』という言葉があります。その意味は『笑いの絶えない人・家には、自然と幸福が訪れる』ことを表したものです。昔から、笑うことは長寿につながると信じられ、現代でも、ストレス解消やリラックス効果があることが科学的に証明されていますし、笑顔は周囲に良い影響を与えることは明白です。仕事や日常生活でも、気象条件だけではなく、様々な困難もあり全てが順風満帆とはいきませんが、何ごとも前向きに笑顔で行うことにより、良い結果や、良い関係を築くことが出来ると思います。『笑門来福』で実りの秋に向かって『ATM』で歩んでまいります。
和田晶夫