“言うまいと 思えど 今日の暑さかな”という川柳が自然と思い浮かぶ連日の猛暑です。この川柳が詠まれたのは江戸時代のようですが、その頃の気候は、今でいう最高気温が35度を超える猛暑日や夜間の最低気温が25度を上回る熱帯夜などはおそらく存在しなかったと思います。
松江気象台の7月の気象データを見ますと、私が生まれた1960年には猛暑日、熱帯夜は共に記録されていません。私が生まれた13日は類い稀な暑い日であったと聞いていますが、その日の最高気温は31.4度であり、今の時代では平凡な暑さでした。当社が創業した年である1972年の7月を見てみますと、猛暑日は無く、熱帯夜が僅か1日記録されています。昔は真夏でも、朝夕は涼しく、日中も今ほど気温が上がらなかったというイメージがありますが、データを見ますとその記憶は正しいと言えます。2000年には、猛暑日が2日、熱帯夜が5日となり、この頃から猛暑、酷暑が意識され始めるようになったのではないかと思います。今年7月の猛暑日は5日、熱帯夜は11日を記録する猛暑続きです。言ってもどうにもならないこととはいえ、人に会うたびに『暑いですね』という言葉が会話のスタートになる所以です。
私たちは、猛暑を乗り越え、日々を元気に過ごすため、体にたまった熱を取り除く“暑気払い”を行って凌いできました。冷たい食べ物や飲み物を摂ることや山や海で涼を求めること、打ち水、簾、風鈴や花火など、夏の風物詩となっているものは先人の“暑気払い”の知恵であります。
私の“暑気払い”は俗的なもので、エアコンの効いた部屋でギンギンに冷えたビールを飲んで転寝をすることですが、最も効果的な“暑気払い”となったのは、優良業務知事表彰(農林水産設計部門)受賞の報が届いたことです。今年は『雲南中央地区農業用排水路測量設計業務』で昨年に続き連続受賞を果たすことができました。この表彰制度は、平成19年度に創設され、今年で17回目となりますが、当社にとって今回で10回目という記念すべき受賞となりました。受賞の度に、社員さんの成長を実感すると共に一体となって業務に取組んでいただいた総合力の発揮を何よりも嬉しく思います。今回の受賞により爽快な気分に浸ることができ、最高の“暑気払い”となりました。
関係されたすべての方々に感謝し、皆さん共に心から喜びたいと思います。
天気予報によりますと、今月の中旬まで猛暑日、熱帯夜が続くようです。それぞれが適切な“暑気払い”により体調を管理していただきながら、皆が一体となって良い仕事をすることにより、社会、お客様から喜んでいただけること、感動していただけることにより、自分たちが成長、発展することを共通の価値観として歩んでまいります。
和田晶夫