9人の候補者による約半月に渡る論戦が繰り広げられた結果、石破茂氏が自民党新総裁に選ばれました。本日、召集される衆参の臨時国会で首班指名を受け、第102代内閣総理大臣に就任されることになります。ご承知の通り、石破新総理は鳥取一区選出の当選12回(38年)67歳で幹事長など党の要職に加え、閣僚経験も豊富です。鳥取出身では初めての総理大臣誕生で地元ではたいへんな盛り上がりをみせていますし、山陰地方出身の総理誕生は島根県民としても大いに喜び、見事に国の舵取りを担われることを期待しています。
政治家は、一般社会以上に、仲間や群れをつくることにより人脈や知識を広げ、その地位を確立する村社会であると言われています。石破新総理は、鉄道オタク、漫画好きを自認しているくらいで、人と交わることより、一人で過ごすことを大切にする人であるようで、異色の政治家であると報じられています。私が石破新総理をよく知る人から聞いたところでは、愚直で真面目、思いやりがあり、付き合ってみると人間味のある人だと聞きました。派手なパフォーマンスはないですが、素朴な山陰人らしい気質であると言えるのではないかと思います。
石破新総理が掲げる政策で特筆すべきは『地方創生』です。『地方創生』とは、東京一極集中を是正し、地方の過疎化、人口減少に歯止めをかけ、地方の持続的発展を目指し、地域の人が安心して暮らし、働くことができる社会を創ることです。そのことがひいては国の発展につながるという考え方です。
石破新総理は2014年に初代の地方創生大臣を務められ、その後、誰よりも地方行脚を続けられています。そのことが地方での高い支持となり、今回の総理・総裁就任に繋がったのではないでしょうか。私たちの暮らす島根は1955年が人口のピークで約93万人でありましたが、現在は約64万人となり、2050年には50万人を下回ると推計されています。人口の減少、高齢化は地域経済の衰退につながり、地域生活の維持や国土の保全にも深刻な影響を与えます。このことに個々の力で抗うことは難しいですが、政治のリーダーシップのもと、国民ひとり一人が国の未来像を真剣に考え、全国的に『地方創生』の機運が高まることを期待したいと思います。
私たちの関わる全ての業務は『地方創生』と密接に関わり、重要なものであります。加えて、私たちがこの地域に誇りと、プロのプライドをもってイキイキと働くことが『地方創生』そのものであるということを共通の価値観として令和6年度の後半戦をスタートしてまいります。
和田晶夫