“光陰矢の如し”と申します。
早いもので今年も一年を締めくくる師走を迎えました。この一年は、県内では特に大きな災害もなく、安泰な年であったと思います。私たちの仕事においても、落ち着いた環境であったのではないでしょうか。
私たちは“情熱をもって楽しく仕事をする”ことをテーマとして、この一年をスタートしました。スマートで要領良くやることのみが最良ではなく、仕事の本質や目的を見失うことなく、お客様や仲間のことを想い、たとえ泥臭くても気持ち・心を込めて仕事をすることが大切であるという価値観です。
一月ほど前に、池井戸潤さんの『下町ロケット2ガウディ計画』が発刊されました。ほぼ同時にテレビドラマがスタートしたことから、ご存知の方も多くいらっしゃると思います。この本は四年ほど前に皆さんに紹介した『下町ロケット』の続編です。前作で「佃品質、佃プライド」をスローガンに、仕事に対する情熱と団結により、数々の苦難を乗り越えてロケットの主要部品を作り上げた中小企業の佃製作所が、今作では、次々と起こる困難や妨害、理不尽に対し一つ一つ誠実に解決し、人の命、しかも幼い命を救う心臓の人工弁を作り上げるまでの姿が描かれています。
本作品では、大企業の利己主義と組織内の利権闘争、ライバル会社のデータ捏造など手段を選ばない利益至上主義に対し、佃製作所のお客さんや社会の喜びのため愚直に仕事をする姿、技術者が自分たちの可能性を信じ、諦めないで挑戦し続ける姿の対比が特に印象に残りました。
この両者の違いは仕事に対するひた向きで、まっすぐな情熱の差であると感じました。
情熱を持つことは、挑戦することであると思います。私たちは日々の仕事に忙殺されると、時として何のために働いているのかを見失うことがあります。
しかしながら、挑戦し続ける気持ちさえあれば、本来の目的・目標に向かって真っすぐに進むことが出来ると思います。多忙な師走を迎えますが、挑戦する気持ちを持ち続けて一年を有終の美で飾りたいと思います。
日々忙しく働いていただいている社員の皆さんにとって、『下町ロケット2』は清涼剤になると思いますので、是非多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。
和田晶夫