NHK総合テレビで放送されている『ブラタモリ』という番組をご覧になったことがあるでしょうか。地図マニアであるタモリさんが全国の街を古地図をもとにブラリと散策し、その土地の歴史や成り立ち、人々の暮らしに触れる人気番組です。
先日『ブラタモリ』で出雲をテーマとして、出雲大社の歴史と大社の街並みについて放送されました。私は大社の町で生まれ育ち、現在も暮らしていますのでたいへん興味深く見ることができました。
今回の『ブラタモリ』では、出雲大社が全国に知られることになった歴史と時代の変遷、中世、江戸時代の道や神門通りの街並みがどのように形成されたかを分かりやすく説明していました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、現在は出雲大社の参道となっている神門通りは、鉄道が大社駅まで敷設された約百年前に造られたものです。
番組では、鉄道輸送とともに賑わった昭和40年代の神門通りの様子とモータリゼーションによる鉄道旅客の減少、国鉄大社線の廃止による神門通りの衰退から一転して、平成の遷宮とともに観光客が200万人から800万人に増え、かつてない賑わいを見せた背景には、神門通りの街並み整備と地元の人たちによる地道な努力があったことがとりあげられていました。
当社は、平成17年から神門通り街路整備、交通広場整備をはじめとした、門前町の活性化事業に関わってまいりました。近年の出雲大社や神門通りの賑わいを見る度、マスコミ等を通じて紹介される度に、建設コンサルタントとして門前町の活性化に関わることが出来たことにこの上ない幸せを感じています。
私たちが行っている仕事全てには目的があります。日常の業務をしていると多忙さ、煩雑さからそれを見失う傾向にありますが、私たちの仕事の先には常に地域の活性化や安心で安全な暮らしを守るという尊い目的があることを、神門通りの甦りから感じていただき、日常の業務を行う上での励みとしていだたきたいと思います。
和田晶夫