「目的」と「目標」は、言葉が似ていますが違うものです。
一般的な解釈として、一般的な解釈として、「目的」とは、最終到達点のことであり、夢や理想、ビジョンとも表現されます。「目標」とは「目的」を達成するために設けた通過点、手段のことを言います。とかく「目標」に翻弄されると本来の「目的」を見失いがちになってしまいますので「目的」を明確にし、意識することが必要です。
このようなたとえ話があります。
大きい石を運んでいる3人の石工がいました。通行人がこの石工に「何をしているのか?」と尋ねたところ、3人から違う答えが返ってきました。
石工A
「石を運んでいるのだよ。運ばないと今日のご飯が食べられないから」
石工B
「塀を作っているのだよ。塀がないと悪いやつが入ってくるから」
石工C
「豊かな町にするために城を築いているのだよ」
3人の仕事は全く同じ「石を運ぶ」という仕事です。しかし、3人の石工は全く違う「目的」で働いています。いずれの「目的」も間違いではありませんが、仕事の目的を何におくかで働き甲斐は大きく違うということのたとえ話であります。
・石工Aにとって仕事は辛いものであり、仕事から逃避したいと考えています。
・石工Bの仕事の意識は少し高く、義務、役割です。しかし、なるべくなら「早く終わりたい」「楽をしたい」と考えています。
・石工Cは「豊かな町にする」という「大きな目的」を持って仕事をしています。“仕事に誇りとやりがい”を感じ、働くこと自体に喜びを感じているはずです。
この話のように、同じ仕事でも目的の設定の仕方で「やりがい」が違ってきます。仕事にやりがいを感じると、「やる気」が高まり、結果も良いものとなります。
私たちの行う業務全て、直接的な業務だけでなく、それを支える補助的な仕事や作業全てに意義があり、目的があります。仕事を行っていると、時として、その繁忙さ、マンネリ感から意義、目的意識を見失い、マイナス思考になることがあります。そのような時には、是非とも大局的な見方、考え方をしていただきたいと思います。それは、私たちの行う業務、仕事により出来上がったものはこの地域の人々をはじめ多くの人に役立ち、満足を与え、そして後世に残るものであるということであります。
個人、組織とも継続、発展するためには「目的」を明確にし、行動することが必要です。私たちの会社の目的は経営理念で明確に表されています。また、目的達成のためには適切且つ多くの目標設定(品質、売上、原価、技術力等)を行い、行動しなければなりません。個人の行動にも「目的(夢、理想、ビジョン)」そしてそれを達成するための「目標」があるはずです。
繁忙さやマンネリ感から「目的(夢、理想)」を見失うことのないように、個人、組織とも「目的」をしっかりと認識し、それに向かうことをプラスのエネルギーにして一つずつ「目標」を達成してまいりましょう。