今日、6月3日は「測量の日」です。昭和24年6月3日に測量法が公布されたことに基づき、公布から四十年を迎えた平成元年に「測量の日」として定められ、今年で25年の節目を迎えました。
「測量の日」制定の目的は、現代社会において、測量や地図の大切さが一般の人には分かりにくくなってきたことから、少しでも多くの人にその重要性を知ってもらおうと言うものです。 古今から、人類が地球上で生活していく上で、測量は不可欠な技術であります。その言葉の語源が「測天量地」という由来であるよう、測量技術の原点は天文観測と土地丈量であることを示しています。約五千年前には古代エジプトで高度な天文観測と測量を基にした土木技術でピラミッドを築造したことが記録されています。日本では約200年前に伊能忠敬等の先人が羅針盤、歩測、間縄等により、正確な国土地図を作っています。
測量に携わる私たちは、この日に改めて先人の歩みに敬意を表さなければならないと感じています。
測量は古代から、人の生活に不可欠であることから、先人の叡智により進歩し続け、今日のGPS、レーザー計測等の最新技術に発展を遂げてきました。先の東日本大震災の復旧、東京スカイツリーの建設も測量技術なくして成しえないものであります。
地球上で人が暮らしていくためには、測量は不可欠な科学技術であります。しかしながら、先日少し残念なデータを目にしました。それは、測量士の半数以上が50歳以上であることであります。この傾向は測量に限ったものではなく、建設産業就業者の三人に一人が55歳以上、29歳以下は八人に一人に過ぎないという調査結果があります。
近年、マスコミにより、公共事業は不要であり悪であるといった、誤った解釈が過剰に報道されたことにより、建設産業に対する若年層離れが加速したことが一因となり、このような状況となった事は誠に残念なことであります。
人がこの地球上で豊かに生活していく為には、安心安全な環境創り、利便性の向上を図るためのインフラ整備を行い、それらを適切に維持管理していくことが不可欠であります。それを担うのが建設産業、土木技術であり、その礎には測量があるということを、今日の「測量の日」に思いを改め、私たちの仕事に誇りと使命感を持つ日としましょう。