社長のコラム
『測量の日』
今日、6月3日は『測量の日』です。昭和２４年6月3日に測量法が公布されたことからこの日を『測量の日』として定めています。その背景には、現代社会において、測量や地図の大切さが一般の人には分かりにくくなってきたことから、その重要性を少しでも多くの人に理解してもらうことを目的に定められています。
古今、人類が生活していく上で「測量」が不可欠な技術であることは言うまでもありません。地球上に何かを創るために必要となるのが「測量」です。測量の言葉の語源は「測天量地」であるように「測量」の原点は天文観測と土地丈量です。約五千年前には古代エジプトで高度な天文観測と距離測量を基にした土木技術でピラミッドを築造したことが伝えられています。
日本人で測量の先駆者と言えば、真っ先に連想されるのが伊能忠敬ではないでしょうか。今から200余年前に正確な日本地図を作ったことで知られています。当時では、多くの人が隠居生活を過ごす55歳から１7年の歳月をかけて、険しい海岸線や道なき山野４万キロを羅針盤と検縄や歩測による距離測定で踏破し、当時の先進国が驚くような正確な国土地図の作成を遂げています。
私たちの行う全ての業務は「測量」が基礎になっています。正確な測量なくして設計、地質調査、補償調査は行うことが出来ません。
測量技術は日進月歩で精度、効率が向上しています。私がこの仕事を始めたのは約35年前ですが、その頃の距離測量は鋼製巻尺によるものが主流で、まだ光波による距離測量は限られていました。現在ではGNNS測量の技術が急激に進歩し、レーザー測量の範囲も急激に拡大しています測量計算や作図、製図方法も大きく進歩し、当時とは隔世の感があると言えます。
今後も測量技術を始めとして土木技術は日進月歩で進歩していくと思います。私たちにとって大切なことは、過去の技術や考え方を大切にしつつ、常に新しい技術を取り入れて、成長し続けていくことにあると思います。
今日の『測量の日』に先人の足跡をたどり、その努力や偉業に敬意を表すと共に、今を担う私たちは絶えず進歩する努力をし続けなければならないことを認識する機会としたいものです。
和田晶夫
