先日、尊敬する先輩から『治山治世』という格言が揮毫された隠岐の島産の銘木を頂きました。『治山治世(山治って国栄える)』とは、森林や農地がしっかりと保全管理されている国や地域は災害に強く、治安も良いことから安心安全が約束され繁栄するという先人の教えです。
その教えは先輩の座右の銘、政治信条のひとつでもあると言う事です。
近年、農林業の衰退や高齢化により、中山間地域の農地、森林の荒廃が進み、それにより野生鳥獣が人の生活圏にまで入り込んでしまい、農作物や人へ被害が及ぶといった報道がしばしば伝えられています。このことは、日本本来の美しい田園風景や里山の環境が急激に失われている証しではないでしょうか。
『治山治世』の教えは、現在の自然環境の悪化や国土保全に対する警鐘であると言えます。古来より、国家の崩壊は地方の衰退からと言われ、地方の衰退が徐々に首都、国家へと及ぶと言われています。首都一極集中の問題や東京オリンピックの膨大な予算が論じられていますが、今こそ『治山治世』の教えを大切にしなければならないと思います。
私たちの会社や仕事において『治山治世』を当てはめてみました。個人、会社が共に発展するためには、良い職場環境を作ることが大切であるということに他なりません。さらに言えば、私たちにとって良い職場環境創りとは、仕事における5S(整理、整頓、清潔、清掃、躾)を実践することにより、職場の風通し、コミュニケーションを良くし、好循環を創り出すということであると思います。
私たちの仕事における5Sとは、
整理
物や情報の整理(仕事の内容やお客様の要望を理解すること)
整頓
物や情報の共有(情報をわかりやすく正確に伝えること)
清掃物や情報を点検する(進捗状況をチェックしミスを防ぐこと)
清潔
物や情報を常に最新、最適な状態に保つ(最新の情報や重要課題、優先順位を正確な状態に保つこと)
躾
ルールや手順を守ること(契約、約束、社内のルールを守り続けること)です。
この6月から平成29年度業務が本格的にスタートします。一人ひとりが仕事における5Sを徹底し良い職場環境を創り出し、お客さまや社会に喜んで頂ける仕事をすること。そのことにより、個人、会社が共に発展するよう全社で気持ちを一つにして取り組んでまいります。
和田晶夫