平成も残すところ2か月となりました。一月後の4月1日には新元号が発表され、5月には新しい元号の時代が幕を開けます。私は昭和、平成をそれぞれ約30年過ごしてきましたが、社会に出てからの大半は平成の時代であったこと、私たちの産業にとって平成の三十年間は激動の時代であったこともあり、平成が終わることになにか寂しさを感じると共に、自身にとって最後の元号となるであろう、新しい元号、時代への期待感を併せ持つ心境です。
さて、全国植樹祭という行事についてお話をさせていただきます。植樹祭は国土の基盤である森林・緑に対する国民的理解を深めるため、昭和25年から、毎年春に全国47都道府県で持ち回り開催され、すでに69回開催されています。島根県では、第22回大会が昭和46年4月に大田市三瓶町北の原で、昭和天皇、皇后両陛下ご臨席で開催されました。それから半世紀を迎える来年、新元号2年4月に同じ場所で、新天皇陛下のご臨席のもと第71回全国植樹祭の開催が決定しています。
当社では、平成30年にこの植樹祭式典会場の整備に関する業務に携わる機会をいただきました。今回の式典会場のベースとなるのが平成3年に行われた第15回全国育樹祭の式典会場であります。その会場を有効に使い、最小限の造成とすることにより、自然環境への負荷軽減、大会理念に配慮した素晴らしい計画となっています。(育樹祭は昭和52年から、森・緑を守り育てることの大切さを普及啓発するために、植樹祭を開催した都道府県において毎年秋に行われ、植樹祭で天皇、皇后が植えられた樹木を皇太子、皇太子妃が手入れされます)
当社では、昭和の終わりから平成にかけて、育樹祭式典会場の整備に関する測量、設計業務を担当させていただきました。当時、私も微力ながらお手伝いをさせていただきましたので、三十年の時が経つ速さを感じると共に、当社が今回の業務に再び携わることが出来たことに感激し、この上ないありがたさを感じています。
私たちの仕事を表して“地図に残る仕事”というキャッチコピーがあります。時代が昭和から平成、新しい時代へと変遷するなかで、私たちの仕事は“地図に残る仕事”であると共に“歴史に残る仕事”でもあると感じます。
この三月は私たちにとって一年の締めくくりの時期で、繁忙を極めますが、時間に追われて仕事が雑になり『地域、お客様、仕事、仲間への“おもい”』が欠けることのないよう、私たちの仕事は“地図と歴史に残る仕事”であることをモチベーションとして、平成最後の年度を有終の美で飾り、みんなで新しい年号を健やかに迎えることができるよう取り組んでまいります。
和田晶夫