『心意気』という言葉があります。その意味は“物事に対して積極的に取り組む気構え、強いおもいがあること”といった意味であります。私たちが仕事をする上での『心意気』とは、プロとしてのプライドや使命感、意地を持って前向きに仕事に向き合うといったことになるのではないでしょうか。
先日、国道9号を走行していたところ『地元企業の心意気』という垂れ幕を目にしました。山陰地方でレンタルショップ、ネットカフェ等を展開している会社の店舗に掲げられていました。
近年、衣類、家電や食品等の量販店。レストラン、居酒屋等の飲食店も殆どが全国チェーンとなり、全国どこに行っても、同じ看板が並んでいます。価格競争、経済合理性を追求すると、このチェーンストア化、全国一律と言う流れに逆らうことは難しいようですが、地方らしさや地方のアイデンティティが急速に失われているようで寂しさを感じます。
レンタルショップやネットカフェも御多分に漏れず全国チェーンが席巻する中、この企業が『地元企業の心意気』で頑張っていることにたいへん共感しました。
私たちの仕事に目をむけますと、建設コンサルタントの仕事は全てオーダーメイドであること。加えて、地域、地形・地質、歴史、風土等の関わりが強いことから、一部の限られた業務を除いては、地域に密着した会社、技術者が仕事をさせていただく機会が多く、我々地元業者にとっては恵まれた環境にあるといえます。私たちはこの環境に甘えることなく、自助努力を続けなければなりません。
当社、私たちの産業の共通の理念は、技術力の向上を図り、県土整備に関わる全ての測量、調査、設計は地域に密着し、郷土愛のある会社、技術者が担うことです。このことは理念でもありますが、同時に『地元企業の心意気』でもあるともいえます。
先月には西部地方で集中豪雨が発生、道路の崩壊や土石流の発生で集落が孤立するなど甚大な被害が発生しました。皆さんには、猛暑の中、被災直後から県、市の要請を受け被災調査や災害査定に向けた作業に従事して頂いています。当社では創業来、災害発生時には、全社を挙げて社会の要請に応えることを大切にしています。このことも我々の『心意気』であります。
猛暑が続きます。災害対応は暑さと時間との戦いとなります。加えて通常業務も本格化する熱い夏となりますが『心意気』をもって仕事をすることで乗りきり、素晴らしい成果をつくりあげたいと思います。
和田晶夫