新年あけましておめでとうございます。
本日、皆さんと共に、健やかな気持ちで仕事始めを迎えることが出来ますことを喜び、感謝の念を新たにしたいと思います。
新しい年が、皆さまをはじめ、ご家族、関係者にとって輝かしく、地域に幸せの和が広がる年となりますよう、心からお祈り申し上げます。
さて、この四月には、三十年続いた平成の時代が幕を閉じます。私たちの産業と当社における平成時代を回顧してみたいとおもいます。昭和の時代から平成の十年頃までは右肩上がりの成長を遂げた期間です。この十年で市場は倍増し、平成十一年には島根県内の公共投資が史上最高となり、それに比例し当社の売上も創業来最高を記録しました。この時期は、急激に仕事量が増加し、社会、お客様の要請に応えるべく全社で遮二無二に働いたことが印象的です。今の時代には考えられないハードな働き方をした時代です。
平成十一年を境に、平成二十年頃までの十年間は、思い起こすのもつらい極寒の時代です。この間に島根県内の公共投資はピーク時の三分の一になり、同業者の倒産や廃業が相次ぎ、離職者が増え、産業人口は大幅に減少しました。当社の売上高もピーク時から半減し、業界、社内とも閉塞感と先行きの不透明感から、産業としての存続が危ぶまれ、仕事の意義や使命感さえも見失ってしまいそうな辛い時代でした。この間は、社員の皆さんにはたいへんな我慢をしていただきながら、ひとり一人の意識や会社の仕組みを大きく変革し、みんなで耐えて、乗り越えた時代でした。
平成最後の十年は、国、地方の財政難が深刻になり、さらには政治の混迷もあり、市場は漸減からゼロ成長の時代となりました。そのような背景の中、地震や風水害など大規模災害が頻発し、さらには社会インフラの老朽化が深刻になったことから、私たちの仕事の内容は大きく変わり“創るから維持管理”“防災・減災”“長寿命化”“点検”などがキーワードになりました。同時に、私たちの仕事、産業は、国民、地方の安心で安全な暮らしを実現するのに不可欠なものとして、社会的注目度、期待が高まった時代です。
私たちは、この三十年、必ずしも順風満帆ばかりではなく、様々な困難や危機に直面しましたが、その都度、柔軟に変化を遂げて乗り越えてきました。
今年は、新元号の新しい時代が幕を開けます。今後、私たちの環境は今まで以上に、早い波長で大きな波動となり変化していくものと思います。
ダーウィンの進化論を引用すると『この世に生き残る物は、最も力の強いものではない。最も頭の良いものでもない。それは、変化に対応できる生き物である』という教えがあります。
私たちは、どんな環境にあっても“目的・ビジョン”を失うことなく、仕事に“自信と誇り”を持ち“プラス思考”で“皆が力を合わせ”、多くの人とのご縁に“感謝”し、皆が“成長”し“幸せ”になることを共通の価値観としてこの一年を歩んでまいりますのでよろしくお願い申し上げます。
和田晶夫