一年を締めくくる師走を迎えました。この一年は、御代替わりにより、五月に元号が平成から令和へと代わる区切りの年でありました。天皇の譲位、新天皇の即位に関わる儀式がつつがなく行われ、即位礼正殿の儀、大嘗祭を伝える報道には国民的な奉祝ムードが高まりました。
しかしながら、昨年は、一字を表す漢字に『災』が選ばれるほど災害の多い年でしたが、今年も自然災害が猛威を振るい、特に十月には台風19号により広域的な被害が発生し、七つの県で90箇所の堤防が決壊し、多くの人命や人々の暮らしを奪うこととなりました。
そのような被害の中、ラグビー日本代表が『ONE TEAM』を掲げてチーム作りを行い、一丸となった熱い戦いで歴史ある格上の強豪国を撃破する快挙は、スポーツ界だけではなく、国民を勇気づける出来事であったと思います。
今日、恒例の流行語大賞が発表されますが、間違いなく『ONE TEAM』が選ばれると確信しています。この『ONE TEAM』という言葉に象徴されるラグビー日本代表の戦いぶりに多くの人が感動したのは、今の社会や組織が決して『ONE TEAM』になっていないことの裏返しではないかと感じます。最近の、政治やスポーツ界等に関する報道をみても、批判的、揚足をとるような論調が多く、決して発展的なものではありません。残念なことに、多くの組織や会社でもそのような傾向があるように感じます。
日本人は、伝統的に『和』の精神を持つ民族として発展してきました。それは、狭い国土と厳しい自然環境の中で、農耕民族としてみんなの知恵を集め、尊重して助け合うことで生きてきた歴史であると思います。私は『ONE TEAM』=『和のチーム』である理解しています。新元号が『令和』となったことや災害時の秩序ある行動や助け合い。オリンピックイヤーを来年に控え、今こそ日本らしさ『和』を取り戻す意味でも、12日漢字の日に選ばれる今年を表す漢字に『和』が選ばれることを念じています。
記念すべき令和の幕開けの年を有終の美で飾るべく、社是『和』をみんなで心に刻み、経営理念を実践しこの一年を『和のチーム』で締めくくることができるよう取り組んでまいります。
和田晶夫