2014年の北海道を皮切りにスタートした“社員旅行で全国制覇プロジェクト”は昨年までに47都道府県の内24道県を巡りました。今年の旅は今月末から栃木、茨木、千葉を巡ることになっています。今回の旅で初日に皆で訪れるのが世界遺産の日光東照宮です。東照宮は徳川家康公をご祭神にお祀りした神社で、建物には極彩色の漆塗りが施され、柱や欄間などは数多くの彫刻で飾られています。幼いころから、無彩色で荘厳な出雲大社に親しんできた私には、少し違和感のある社殿ですが、それはそれで見事なもので、そのきらびやかさには驚かされました。外国人の感性には合うようで、境内は多くの外国人参拝者で賑わっています。
日光東照宮で有名なのが麒麟や龍、猫、猿などの彫刻です。その数は5000を超え、その中でも、有名なのが八面で形成された猿の彫刻です。猿の誕生から幼少期、成長過程、恋愛、挫折などの生涯を描いた彫刻で、人間の一生を風刺したものであるとされています。その八面の内の一つに『三猿(さんざる)』があります。『三猿』は“目を押さえた猿、口を押えた猿、耳を押さえた猿”の姿で『見ざる、言わざる、聞かざる』として知られ、日光東照宮の代名詞ともなっています。その意味するところは『人や物事の悪いところを見るのではなく、善いところや善い行いを見なさい』と諭しています。(念のため申しますが、目、口、耳をふさいで無関心や回避を勧めているのではありません)
私自身の、自戒を含めて申しますが、私たちはチーム、組織で活動する中で、残念ながら、とかく人の短所や欠点、失敗に目がいく傾向があります。しかしながらそれではチーム力を発揮し個人、組織が発展することはありません。『三猿』の教えをヒントにするなら、メンバーの悪いところや不得手なことを見るのではなく、良いところや得意なところを生かすこと、認め合うことが大切だと諭しているのではないかと思います。このことは、まさに “Respect”であり、チーム力を最大限に発揮するために不可欠なものです。
令和7年度が本格的にスタートします。『三猿』の教え“Respect”を大切にすることでチーム力を高め、お客様や地域社会に喜んでいただける良い仕事をすることで関わる全ての人の幸せを目指してまいります。
和田晶夫