一年を締め括る師走を迎えました。この一年も新型コロナウイルスに翻弄される一年となりました。年初の第6波に始まり、初夏には第7波が訪れ、年末を迎えるこの時期には第8波の到来が予測されています。ワクチン接種の効果もあるのでしょうが、波の数を重ねるごとに重症化リスクと致死率は下がり、コロナウイルスと共存した日常生活をおくる局面に入っているものの、メディアで報じられる日々の感染者数に多くの人が『一喜一憂』しています。
今、FIFAワールドカップカタール大会が佳境に入っています。日本代表は11/23の初戦で強豪国ドイツを破るジャイアントキリング(大番狂わせ)により大きな感動と喜びをもたらしてくれました。勝利直後のチームミーティングで森保監督が『この勝利に一喜一憂することなく次の戦いに備えよう』と諭していた姿が印象的でした。第1戦の勝利により、決勝トーナメント進出の期待が大きく膨らんだ11/27のコスタリカとの戦は残念ながら敗れ、大きな失望感が広がりました。この間、まさに日本中が『一喜一憂』したのではないかと思います。明日の早朝には第3戦のスペイン戦が行われますが、再びのジャイアントキリングを期待して熱く観戦し『一喜』したいと思います。
『一喜一憂』とは“状況の変化など、ちょっとしたことで喜んだり不安になったりすること”を意味します。どちらかというとマイナスイメージの言葉であり、あまり良いシーンや意味で使われる言葉ではありません。何かが起きて動揺している人や感情が入り乱れて落ち着きを失っている人に対して『落ち着きなさい、冷静になりなさい』ということを諭す時などに使われることが多いと思います。『一喜一憂』の対義語は『泰然自若(たいぜんじじゃく)』で“いかなる局面においても落ち着いていて、どんなことにも動じない”という意味でプラスイメージの言葉です。
人は『一喜一憂』するより『泰然自若』で振る舞う方が立派であり、理想であると思いますが、俗社会に生きていると必ずしもそうはいかないのが現実です。私は、この一年、仕事でもプライベートでも、色々なことに『一喜一憂』しました。そのような自分自身を振り返り、少し反省しながらも、ほどほどに『一喜一憂』した方が人間らしくて良いのかなと思っています。ほどほどに『一喜一憂』し『喜怒哀楽』があった方が感情豊かで、刺激的でもあり、ワクワクすることによってATM(明るく・楽しく・前向き)に行動できるのではないかと思います。一年を締めくくる師走です。気持ちをATMのギアに入れ、みんなで有終の美で締め括ることができるよう取り組んでまいります。
和田晶夫