今年の4月から放映された、NHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』が9月末に最終回を迎えました。沖縄復帰50年を記念したこの作品は、沖縄料理に夢をかけたヒロインと、個性豊かなその家族が本土復帰からの時代を、苦楽を共にしながらも明るく、逞しく生き抜く姿を描いた作品です。私は、このドラマの時代背景を懐かしく感じると共に、沖縄の風土や言葉、人々の素朴で大らかな生き方などに心が癒されました。
ドラマのタイトルとなった『ちむどんどん』は沖縄の方言です。“ちむ”は肝や心を表し“どんどん”は胸がドキドキ・ワクワクする様子で“前向きで肯定感に満ちた、胸がわくわくする気持ち”という意味を表しています。このドラマで初めて『ちむどんどん』という言葉を耳にしましたが、言葉の響きからも“わくわく感”を醸し出していると感じます。
先日、五十代半ばで異業種へのチャレンジを決断した知人と話す機会がありました。彼は、三十年余にわたって働いた仕事から、全く違う仕事に替わることを決意した心境について、大きな不安はあったが、新しい仕事に就いた自分の姿を想像した時に“わくわく感”を抱くことができたのが決め手となって決断したと、目を輝かせて嬉しそうに話してくれました。人生の岐路に立った時、その選択や決断をする際“わくわく感”を抱くことが出来るか否かを判断基準にすることが、初志貫徹の要諦であり、後悔しないための秘訣であると言われています。実際に、仕事や生き方において、うまくいっている人には共通して“わくわく感”を見つけ、ATM(明るく・楽しく・前向き)で行動されているように感じます。
私たちにとって“わくわく感”を抱くことは、行動の最大のエネルギーになります。同じ仕事をするのにも“わくわく感”があるのと、いやいや行うのでは、その結果に大きな差が生じるのは明白です。いやいや行っていては自身のモチベーションも上がらず、周りからの共感や援助も得られないことから、困難に当たった際に、出来ない理由を考え、挫折することになると思います。
今日から下半期がスタートします。私たちが仕事を行う上でも、プライベートにおいても、先ずは『ちむどんどん“わくわく感”』を抱くことが大切です。それをモチベーションとして、ATM(明るく・楽しく・前向きに)に行動し、今年度の行動指針である“Let‘s balance life and work(生活と仕事を両立させよう)”を達成できるよう取り組んでまいります。
和田晶夫