8月14日に多納延之さんが急逝され半月が経ちました。故人とは40年余り一緒に仕事をし、公私ともに親しくさせて頂きました。あまりに早い突然の旅立ちで、今も気持ちの整理がつきませんが、私の心の中に生き続ける彼の笑顔、優しい心と頑健で大きな体の妙。彼の残した沢山の功績と想い出に手を合わせ、ご冥福をお祈りするしかありません。
彼は昭和60年の入社ですので、40年余の間当社で勤務してくれました。土地改良事業の設計の仕事がスタートです。その後、道路、砂防、トンネル設計など幅広い分野の業務にチャレンジし、気力、体力ともに充実した仕事ぶりでした。三十代の頃、当社から山陰道斐川インターに至る市道の設計にやりがいを覚え、熱い思いを持って取り組んでいた姿が印象に残っています。いつもお客様、地域を大切にする謙虚で誠実な仕事ぶりで、それは年齢を重ねても変わることはなく、その姿勢を貫き通した技術者人生であったと思います。
彼が還暦を迎える少し前、二人でゆっくり話す機会がありました。決して饒舌、多弁ではない彼ですが、その時に『自分は愚直であり、決して器用ではないので、誠実、確実にお客様目線で仕事をすることを大切にしてきたこと。それを続けることにより信頼を築くことが出来た。そのことが会社の信用を高めることになり、それを続けてきたことが自分の財産です』ということを話してくれました。その姿勢はワールドの多納さんというブランディングを築き、多くのファンがいることを皆が認めているのではないかと思います。
彼のスピリッツは良い仕事、喜んで頂ける仕事をすることによりお客様満足を高め(CS)そのことにより自身が喜びや幸せを得る(ES)というCSとESの好循環であったと思います。私たちが、彼のスピリッツを大切にしていくことが何よりの供養になると思います。私たちのその姿はきっと天国の彼に届くはずで、その時、彼はあの人懐っこい笑顔を浮かべてくれることと思います。
多納さんありがとう。心よりご冥福をお祈りいたします。
和田晶夫