新年のあいさつを行うことを躊躇うほどの大惨事が続きました。元旦には石川県能登地方を震源とする、最大震度7を観測する地震が発生し、正月気分が一気に吹き飛びました。被害の全容は明らかになっていませんが、100人に迫る死者と300人を超す重軽傷者に加え住宅密集地での大火や建物の倒壊など、深刻で甚大な被害が発生しました。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方には心よりお見舞いを申し上げる次第です。
一夜明けた2日には、被災地に向かう海上保安庁の航空機と日本航空の旅客機が羽田空港の滑走路で衝突するという、前代未聞の事故が発生しました。379人の旅客、乗務員は奇跡的に全員が脱出し難を免れましたが、被災地支援という尊い任務に従事されていた海上保安庁の乗員5人がお亡くなりになったことに心が痛みました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
私たちは年の始めに、いつどこで起きるか分からない天災に加え、利便性の高い現代社会の生活にはそれと引き換えに様々な人災のリスクが潜んでいることを思い知らされることになりました。平和ボケしている自分を戒めると共に、今をあたりまえに過ごすことが出来ていることに感謝の念を新たにしたいと思います。
このようななかで仕事始めを迎えることになりましたが、この一年、社員の皆さんとご家族が健やかに過ごされ、この地域、国家、世界が平和でありますことを祈念します。
さて、昨年は県内市場が縮小する中で、新規の顧客からの受注チャンスに恵まれ、そのチャンスを生かし、全社でその仕事にチャレンジすることが出来た刺激的な年となりました。若手が生き生きと仕事にチャレンジする姿に頼もしさを感じ、中堅、ベテランが経験と個性を発揮して、プロとしての誇りを持ってチャレンジする姿からは勇気と元気をいただきました。まさに、社員の皆さんがプラス思考で前向きに行動し、小さな機会や可能性を生かすこと(チャンス)と失敗を恐れず一生懸命に取り組むこと(チャレンジ)が出来た一年であったと思います。皆さんがチャンスを捉え、チャレンジされたことに敬意を表したいと思います。
チャンス、チャレンジの次はチェンジです。この一年はチェンジの年となります。チェンジとはチャンスを捉えチャレンジしたことを自分の成長につなげることです。いつの時代も環境が変化することは避けて通れません。私たちの仕事においては、DX、三次元などの新技術や国民の生活と命を守る防災、減災に対する対応が高まることに加え、働き方改革と向き合いながら的確な技術を提供する責務、更には受注環境の激化などが考えられます。これらの環境変化に対し必要不可欠なのはチェンジに外なりません。環境が変化する中でいかに生きていくかが人類の存続の歴史であると言われます。今までにも重ねて申し上げてきましたが、ダーウィンの進化論を引用し『この世に生き残る物は、最も力の強いものではない。最も頭の良いものでもない。それは、唯一変化に対応できる生き物である』という教えがあります。まさにこれからの時代を生き抜くための至言であります。
この一年、ひとり一人が『チャンス・チャレンジ、チェンジ』をモットーとしてATM(明るく、楽しく、前向き)で行動し、自分たちの力で素晴らしい年にしてまいります。
和田晶夫