秋は穀物や果物の収穫量が多くなること、山海の味覚も豊富となることから『実りの秋』と言われます。
私たちの二つの田圃、奥出雲八代地区、隠岐の島町城北地区の“和有土農園”でも『実りの秋』を迎え、約2トンのお米を収穫することができました。早速いただきましたが、最高の食味に感動いたしました。五月に、皆さんに参加をいただき田植えを行い、猛暑の中、草刈りや除草、先月には台風を心配しながらも無事に稲刈りを終えることが出来ました。社員の皆さんの協力と共に、私たちのコメ作りに快くご協力いただいた両地区の皆さんのご理解と協力があってのことと心より感謝申し上げます。
私たちは、普段何気なくご飯を食べていますが、今回のコメ作りで大自然の恵みと共に、風雨や害虫などの自然と戦い、努力と工夫で乗り越えてきた先人の偉大さや国を挙げて取り組んできた土地改良や品種改良などにより、生産性を高めてきたことで、美味しいお米を、安定していただくことが出来ていることを知り、一粒のお米に感謝のおもいを深めることになりました。
日本に本格的に稲作が根づいたのは、今から約三千年前と言われています。その時代から私たちの先祖は河川の流域に定住し、村社会を作り、自然との戦いを繰り返し、想像できない程の労力を注いでコメ作りをしてきました。“米”という字は“八”と“十”と“八”に分解され、“八十八”と読まれます。昔から米を作るには八十八もの多くの手間、工程がかかると言われ、膨大な仕事と煩雑な作業に力を注いできたことの証のようです。
私たちの先祖は、このたいへんな米作りに持ち前の“勤勉さ”で向き合ってきましたが、“勤勉さ”に加え“計画性”と“協働”があって乗り越えることができたのではないかと思います。“計画性”とは“多様な作業に対し環境を見極めながら段階的に確実に行動すること(工程管理)”。“協働”とは“一人ではできないことを助け合いながら行うこと(組織の連携、協力)”であると思います。
私たちの仕事も“計画性”と“協働”なくしてよい成果をあげ『実りの秋』を迎えることが出来ません。一年の折り返しである下半期を迎えました。これから繁忙期を迎えますが、“和有土農園”に負けない美味しいお米(=社会やお客様から喜んでいただける仕事)が出来ますよう、“勤勉さ”に加え“計画性”と“協働”の意識を高め歩んでまいります。
和田晶夫